滔々について

山あいを蛇行しながら滔々(とうとう)と流れる川は、黙々淡々と、豊かな水をたたえ、変わることなく変わり続けます。

どの場所も空間も、誰のものでもありません。
たまたま誰かが使っているだけで、他の誰かが使うようになるかもしれないし、誰も使わなくなるかもしれない。
何かが通過し続けるから実体がある。
滔々も、そんな場所のひとつです。

宿は、町や建物の歴史、職人の繊細な手仕事や素材のもつ豊かさを感じることのできるしつらえとし、心からくつろぐことができる空間を皆さまにお届けしたいと思っています。

ギャラリーでは、手仕事によって生み出された日用の道具から、日常と非日常の間を感じる作品まで、人の営みの中にある、配慮や心地よさに選び取られるような展示を行なっています。

民藝館南店では、地方の工芸品を中心に、地域の食なども提案してまいります。

次の30年、地域の方、そして旅先として倉敷を訪れた方に、「こんな場所があってよかった」と思っていただけるよう、受け継ぎ、守り継ぐために新しい試みを続ける、そんな場所でありたいと願っています。