御崎 町家の宿
大原美術館東通り
一棟貸し|定員5まで
古いものと新しいものが調和する倉敷美観地区。「御崎 町家の宿」は、その美しい町並みに溶け込むように馴染む、築約100年の町家を改修した一棟貸しの宿泊施設です。
みなさまにお届けしたいのは、この場所で過ごしていただく時間。刻まれた歴史を残しながら年月を重ねるごとに趣きを増す空間で、ゆったりとお寛ぎください。
宿について
建物の歴史を残して
年月を重ねるごとに趣を増す宿
扉を開けると広がる一面の土間はケヤキのフロアを設けてリビングに整えました。2階の床を抜いて開放的で明るい吹き抜けの空間としています。このリビングは宿の中心となっており、和室と中庭に面したバスルームをつなぐ通り道。中庭には山どりの木々。朝夕に四季折々の表情を楽しむことができます。
緑を楽しみながらくつろぐソファは、木部に広島県産の山桜を使用した、さしものかぐたかはし 高橋雄二氏の『futon sofa』。クッション部分は「丹羽ふとん店」の綿の布団、眠りを誘うソファを、というオーダーから誕生しました。
籐が印象的なオーディオチェストは、北海道の木工作家、内田悠氏によるもの。材は蝦夷桜を使用しています。
御崎 町家の宿では、宿で過ごす時間がより豊かなものになるよう、キッチンに器やカトラリー、調理器具を取り揃えています。カウンターには倉敷木材の板蔵から選定したサクラ材を使用。もともとあった柱と、新しく設えた天板が生み出す新旧が融合した美しさを感じていただけます。
夜には、ゆったりとしたサイズの琺瑯の浴槽に身をしずめ、中庭の緑を眺めながら入浴していただけます。浴槽は、ガラス質の表面が水面に美しい光を生み出す広島市大和重工の鋳物ホーローを使用。洗面の床には、岡山特産の万成石(桜御影)を設えました。
ベッドルームは小屋裏空間。寝転び見上げると、建物の歴史を物語る低い梁とヨシの天井。やわらかな土壁が安寧に満ちたひとときをもたらしてくれます。
手仕事にふれる
御崎 町家の宿では、手仕事によって生み出された作品を、滞在する中で実際に使いながらお過ごしいただけます。
作品は、併設のギャラリーでもご覧いただけます。
伊藤 環(岡山)/吹き抜けのランプシェード,トイレの手洗鉢
森本 仁(岡山)/土間の備前焼のスツール,床の間の備前台座,花器等
さしものかぐたかはし(広島)/リビングのソファ,ローテーブル
内田 悠(北海道)/リビングのオーディオチェスト,パウダールームのリネン庫
神山 結子(岡山)/座敷の座布団カバー,寝室のランプシェード
田澤 祐介(神奈川)/座敷の低座卓,タオルラック,ポータブルテレビラック,キッチンの木のトレー
丹下 直樹(岡山)/床の間の壁紙(備中和紙)
器・カトラリー/森本 仁(岡山),西村 峰子(惠山),小林 耶摩人,ヒロイグラススタジオ/花岡 央(岡山),有永 浩太(石川),鈴木 努(岐阜)
宿で過ごす時間が、快適で心から寛げるひとときとなるよう、豪奢ではないが良質であること、人の意図や配慮が感じられること、年月を重ねるごとに趣を増していく素材を用いることをコンセプトに生まれた宿です。
築後、数十年の間に住む人が代わり、使い方が変わり、幾度か改修を重ねられた跡があります。梁や柱は移築して利用されたものも多く、製材されていない曲がった柱や、漆喰で仕上げられていない2階の土壁など、この建物の歴史をできるだけ残しつつ、現代的な快適さと調和させ、次の世代に受け継がれるものにしたいと願いを込めて改修を行なっています。
設計:TT Architects, Inc. 高吉輝樹
施工:倉敷木材株式会社
平成29年度「倉敷市まちづくり基金」補助事業