石川県にて寺院の仏像制作や修復にたずさわりながら身近な動植物などをモチーフとし彫刻や暮らしの道具を制作する中村志野さんと、宮城県秋保温泉にて「玩愚庵こけし屋」の4代目として、こけし・挽物製作に取り組む鈴木敬さんの2人展を開催します。
石川県の山中轆轤技術研修所にて伝統的な轆轤技術を学んだお二人はともに東北のご出身で、中村さんから次のようなご紹介をいただいています。
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私の故郷の蕗と北陸の蕗ではサイズが全く異なります。それにより収穫や調理方法が大きく異なり、味や食感にも差があり、盛り付ける器まで変わります。生活するということはそういうことの積み重ねであり、住んでいる土地がその人の所作や思考にまで大きな影響を与える気がします。
今回展示する2人のルーツは東北にあります。私は日本海側で鈴木は太平洋側、私は平野で鈴木は山間部。一見異なる土地柄ではありますが、同じチームにカテゴライズされて長いこと生活してきました。
おそらく様々な意識を共有する鈴木とは制作するものに共通の感覚を覚えることが少なからずありました。互いに器物制作の基礎は北陸で学びましたが、縁の厚みや高台の形など、選び取ったそこかしこの形には我々の歴史が滲み出ています。
厳しい自然と共存してきた我々の先祖。家業を継ぐことでその意思を引き継いだ鈴木の作品には懐かしさと内に秘めた力強さを感じます。
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中村志野 Shino Nakamura
金沢美術工芸大学彫刻専攻卒業 東京藝術大学大学院にて仏像の保存修復を学び博士号を取得
その後石川県加賀市山中で挽物轆轤の技術を修める。現在は寺院の仏像制作や修復にたずさわりながら身近な動植物などをモチーフとし彫刻や暮らしの道具を制作。
@shino_n_a
鈴木敬 Takashi Suzuki
1994年 宮城県仙台市生まれ
2017年 石川県挽物轆轤技術研修所 専門コース卒業後、父の元でこけし製作を始める
現在、秋保温泉にて「玩愚庵こけし屋」の4代目として、こけし・挽物製作に取り組んでいる。
@sendai_kokeshi
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