かつて、哲学者・柳宗悦は、「名もなき職人が作る日用品の中にこそ真の美が宿る」と説きました。
色の少ない乾いた大地を移動し続ける遊牧民たちにとって、軽さと丈夫さをあわせもつ毛織物は厳しい自然の中の生活を支える実用的な道具でした。
鮮やかな色彩と精緻な紋様は、単なる飾りではありません。それは家族の安全を願う「魔除け」であり、家や部族の紋章が表現されています。紋様は自然の驚異から身を守り、集団の絆を確認し、過酷な環境下で心の均衡を保つための高度な文化装置、心の生存に必要不可欠な実用であったと言えます。
私たちがトライバルラグに惹かれるのは、生活に根ざした独自の美しさが宿っているからではないでしょうか。
本展では、榊龍昭氏(tribe)が長年現地で見つめてきたイランやアフガニスタンのオールド&アンティークラグを中心に、絣(アドラス)や刺繍(スザニ)など約120点をご紹介します。
あわせて、地元・倉敷の松本家具研究所・松本行史氏による椅子や座卓も展示いたします。格式ある新溪園・敬倹堂の畳の間と春の庭を背景に、シルクロードの布と日本の指物技術が響き合い、現代の住まいに溶け込む情景をぜひご高覧ください。
開催概要
会期:2026年3月13日(金)〜15日(日)
榊さんは3日間会場にいらっしいます。
時間:10:00 〜 17:00
会場:新渓園 敬倹堂(倉敷市中央1丁目1-20)
榊 龍昭 Tatsuaki Sakaki @tribesakaki36
1958年 秋田県生まれ
1986年 絨毯商との出会いをきっかけに手織り絨毯に魅せられる
1988年 イランにて部族絨毯(トライバルラグ)を知り、「tribe」として活動を開始
2001年 手織り絨毯の研究機関「じゅうたん会議」を創設
2007年 「手仕事プロジェクト」を主催し、世界各地の手仕事の展示や研究を行う
松本 行史 Takashi Matsumoto @takashi_matsumoto
1974年 大阪府生まれ
2001年 大阪のアパレル会社での経営管理職を退職
2003年 長野県上松技術専門校・木工科卒業後、指物工房矢澤にて矢澤金太郎氏に師事
2006年 指物工房矢澤を卒業後、岡山県新見市に「松本家具研究所」設立
2008年 第82回 国展 初出品初入選(以後連続入選)
2009年 第83回 国展 工芸部奨励賞受賞
2010年 住居、工房ともに、岡山県倉敷市菰池へ移転
2013年 第87回 国展 会友賞受賞



